「無の境地をきわめたとき、人知を超えたものが生まれる」。
〈MONOLITH〉は、
ミニマリズムの旗手として国内外で活躍する建築家、
窪田勝文が監修した腕時計。
研ぎ澄まされた姿を目にするたび、心が深く満たされていく。
〈MONOLITH〉で私が目指したミニマリズムとは、ただ無駄を省いてシンプルにすることではない。今まで私が訪れた名建築は、そのミニマルな空間に身を置くと心が安らぎ、チカラが湧いてくるような感覚があった。特に簡素とも言える日本の伝統建築には、人間の内面と自然を寄り添わせる美しさがある。
それこそがミニマリズムのチカラだと思う。
こうした経験を通じて、私が建築家として培ってきたものは、時計のデザインにも活かすことができる。無の境地をきわめたとき、人知を超えたものが生まれるのだ。
〈MONOLITH〉もまた、ふと目にするたびに精神を活気づける存在でありたい。それが豊かな生活を送るきっかけになると、私は信じている。
古代ローマの建築家であるウィトルウィウスは、著書『建築十書』で時計づくりを建築家の仕事だと述べた。これは当時の日時計が、数学、構造、自然科学に精通する建築家にしかつくれなかったからだ。
私が時計をデザインしたいと考えた原点は、そこにある。